芸術表現における強度と深度 [think reflectively]
その人の心の在り方、生き方、考え方が作品の中に如実にあらわれてくる。
各人の年齢、経験などによってそれぞれの置かれる状況は異なるが、
どんな作品においてもその「在り方」が作品の強度と深度を決定づける。
良い資質を持つ作家はキャリアに関係なくこの強度と深度の両方を育んでいる。
強度だけ、深度だけにおいて強烈な光を放つ作家でさえ希少といえるが、
その両方に強烈な光−世間においてはそれを才能というのだろうか−を持つ(育む)作家は
ごく僅かである。こうした強度と深度という審美尺度を照らし合わした時に、
本当に突出した才能を持つ作家というのは万分の一なのかもしれない。
そうした意味では美術館に収蔵される作家にはそれなりの理由がある。
稀有な強度と深度を持つ精神活動(状態)に対する飽くなき追求の末に生み出される作品、
または作家にのみ、そうした展開が行なわれる(または行なわれるべき)だと
言えるのではないだろうか。
(2006.12.11 未完)
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